日语阅读学习:兔子和太郎

来源:网络发布时间:2009-12-28

  むかしむかし、ある山おくに、おじいさんと孫の太郎がすんでいました。
  二人の家のすぐそばのささ山には、人をだましてはよろこぶ、わるいウサギがすみついています。
  そのころは、ウサギのしっぽは長くて大きなものでした。
  ウサギは、この大きなしっぽをじまんにしています。
  ある日のこと、山へ出かけるおじいさんが、太郎にいいました。
  「山さいって、ひとはたらきしてくるかのう。太郎、夕方にはかえってくるで、おかゆでもにて待っててくれろ」
  「うん」
  太郎はおじいさんを見送ると、おかゆを作るために、なべをあらいはじめました。
  その音に、ウサギが気づき、
  「おや? なべを洗っているのか、ということはめしを作るんだな。じゃあ、めしができるまでねて待つか」
  そういうと、ウサギはゴロッと横になり、グーグーひるねをはじめました。
  さて、夕方。
  おかゆもできあがり、いいにおいがしてくると、ウサギの鼻がピクピクピクッと動き、パッとはねおきて太郎の家へ走っていきました。
  そして太郎にいいました。
  「太郎、なにしてるだ?」
  「おかゆをにてるだよ」
  「うまいんか、そのおかゆってのは」
  「そりゃあ、うめえさ」
  「なら、ちょびっと食わせてくれや」
  「だめだめ、じいさまにおこられる」
  「ちょびっとだ、ほんのちょびっとだけだ。おら、おかゆってのを食ってみてえ。ねえねえ、ねえったら」
  ウサギがあんまりしつこいので、太郎はしかたなく、
  「じゃあ、ほんのちょびっとだぞ」
  と、なべをウサギにわたしました。
  ウサギは、うれしそうにおかゆを食いはじめ、
  「あち、あち、あちいがうまい、いやあ、うまい! じつにうまい! ああ、うまかった。さようなら」
  ウサギはなべをかえすと、あっというまに山へ帰ってしまいました。
  太郎がなべの中を見ると、なんと、からっぽです。
  こうしてウサギは、人のいい太郎をだまして、おかゆをみんな食べてしまいました。
  おじいさんが帰ってくると、太郎はなべをかかえたまま、ションボリしています。
  「太郎、おめえ、なにしてるだ?」
  「あっ、じいさま。ウサギにおかゆを食われちまっただ」
  これには、おじいさんもガッカリです。
  よく朝、おじいさんは、山へ出かけるまえに太郎にいいました。
  「太郎、きょうは、ウサギにおかゆを食われるでねえぞ」
  「うん、だいじょうぶだ」
  太郎は、きょうこそおかゆをたらふく食おうと、はりきって作りはじめました。
  そしてタ方。
  「ウサギがきたって、もうぜったいにやんねえぞ!」
  ところがまた、ウサギがきました。
  「あっ、おめえのおかげで、きのうはひどいめにあったぞ。とっとと帰れ!」
  するとウサギは、まじめな顔をしていいました。
  「そんなこといってる場合じゃないぞ。おまえのじいさまがな、山でたおれておったど」
  「えっ! ほんとうか? そりゃあたいへんだ!」
  太郎はビックリして、なにもかもほうりだすと、山ヘ走っていきました。
  その後ろすがたを見送りながら、ウサギはニンマリ。
  「ウッヒヒヒヒ、うまくいったぞ」
  いっぽう、ひっしで山をのぼっていった太郎は、ちょうど山からおりてくるおじいさんと出くわしました。
  「これ太郎! どこいくんじゃ?」
  元気なおじいさんを見た太郎は、ようやくだまされたことに気づきました。

  「しまった!」
  おじいさんと太郎が大いそぎで家へもどると、からっぽのなべがころがっています。
  またウサギに、ごはんを食べられてしまった二人は、お腹のすいたまま、ふとんにもぐりこみました。
  そしてつぎの日、太郎が、「きょうこそは!」と、おかゆをにていると。
  「太郎さん」
  「またきたなっ! もうかんべんならねえ、ウサギじるにしてやる!」
  人のいい太郎も、さすがにすごいけんまくです。
  するとウサギは、
  「ま、待って。きょうはあやまりにきただ。すまん、すまん」
  と、しんみょうな顔をして、ペコペコと頭を下げます。
  そんなウサギを見て、こころのやさしい太郎は、
  「よし、ゆるしてやるから、とっとと山へ帰れ」
  「いや、それではおらの気がすまねえ。じいさまにこれをやってくれ。これは不老長寿(ふろうちょうじゅ)の薬じゃ」
  そういうと、ウサギは太郎に竹づつを手わたしました。
  「ふろうちょうじゅって?」
  首をかしげる太郎に、ウサギはいいました。
  「おめえ、じいさまに長生きしてほしいだろ。これは、長生きの薬なんじゃ」
  「ほんとうか?」
  「でも、この薬は、すぐになべでにないときかんよ」
  「なべ? おまえ、うまいこといって、またおかゆを食うつもりじゃろう」
  「なにいってんだ。じいさまに長生きしてほしくねえのか?」
  「そりゃあ、長生きしてほしいが」
  「それ見ろ、さあ、おらがなべをからっぽにしてやるで、早くその薬をにろや」
  そういうが早いか、ウサギはまたまた、おかゆをたいらげてしまいました。
  おじいさんが山から帰ってくると、太郎はうれしそうにそのことを話し、さっそく、なべでにた薬をちゃわんについで、おじいさんにさしだしました。
  「さあ、じいさま。これ飲んで長生きしてくれろ」
  「うん? なんだか、ヘんな色合いじゃのう。それに、においも少々」
  と、首をかしげながら、一口飲んだとたん、おじいさんははき出しました。
  「うえ~っ! なんじゃ、こりゃあ! ウサギのしょんべんでねえか!」
  ついに、おじいさんのかんにんぶくろの緒(お)が切れました。
  「太郎! まきを切るナタもってこい! ウサギのやつ、ひどいめにあわせてくれる!」
  ウサギは、すごい顔でやってきたおじいさんを見てビックリ。
  あわててにげだしました。
  「待てっ! えいっ! とうっ!」
  ナタをふりまわしながら、おじいさんはウサギをおいますが、ウサギのすばしっこいこと。
  あっちへピョンピョン、こっちへピョンピョンにげまわり、ふりむいては、おじいさんをからかいます。
  「やーい、じいさま、年じゃのう。くやしかったらつかまえてみろ」
  「いわせておけば、いいたいことをいいおって! これでもくらえっ!」
  おじいさんは、ウサギめがけてナタをなげつけました。
  ウサギはピョンとはねて、ナタをよけましたが、長いしっぽだけはよけそこない、スパッ! と切れてしまいました。
  「・・・ああっ! いてっ! いてっー!」
  しっぽをきられたウサギは、あまりのいたさに山じゅうを何日も何日も、なきながら走りまわりました。
   そのため目は赤くなり、いつのまにか、前あしと後ろあしの長さがちがうようになってしまいました。
  それからだそうです、ウサギのしっぽが短くなったのは。

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