【翻訳】西風之語
中国は最近、普通労働者の権益を保障するための新たな「労動契約法」を実行に踏み切った。さらに普通労働者の給与に関わる「賃金条例」もまもなく登場する。これらの法律法規はいうまでもなく深刻化する所得格差の中から市場経済を救いだすことを目指すものである。市場経済における合理的な論理を立て直すための措置とも見なされる。
中国労働と社会保障部が制定中の「賃金条例」は一部の労働者の賃金があまりに低すぎる、給料の増加がなかなか遅い、給料が契約通り払われていないという深刻な社会問題を解決することを目指す。従業員における給料の正常な増加と適切な給料支払いというメカニズムの創出と定着を通じて社会分配体制に存在する不公平な現象を撲滅できるだろう。
一般的に言えば、健康な経済発展ならば急速な経済成長を保つためには賃金の高成長が伴うべきである。民肖紊钏疁胜冉U済の急速な成長は同一鏡像体の二つの側面であるともいえる。しかし、時には相反する状況もある。民肖紊钏疁胜U済の発展速度に及ばない場合もたまにある。その場合には経済の構造的なアンバランスが現れた。
経済学者の文躍然先生の研究結果によれば、1990年から2005年まで、中国の労働者が貰った労働報酬総額がGDP(域内総生産高)を占める割合が12パーセント下がってきた。国民の貯蓄率が年々低下してきたことと同じ問題を反映した。これは中国の労働者が中国経済の急成長から受益していないことを示すだろう。目下中国の内需がなぜなかなか喚起できない原因はそこにある。
中国政府はなぜその経済の構造的なアンバランスを正す決意をしたか?これは、市場経済を樹立する最初からの不健康な資源分配のため、政府は行政的手段でそのアンバランスを正しようとした。しかし、すでに形成した既得権益グループは自身の利益最大化を維持するため、公平な競争と国民全体の利益を特徴とする市場経済の最大の敵になってしまったため、既得権益グループと対抗できる唯一の力をもつのは政府だけであろう。
中国では現在労働者の給料が低すぎる状況が目立つ。しかし、労働者自身が労働力価格の交渉という手段でその状況を変えることができない。法律法規を考察してみると、労働力価格を交渉するローコストの簡易なルートがないことがわかる。出稼ぎの農民が貰うべき給料を求めるためには温家宝総理の指示すら必要となるほどの深刻さが非常に印象的である。
経済の上昇期には社会の資源が企業のオーナーに偏っているのが間違いないことである。安価な商品を輸出するためには「柔軟な」賃金体系を維持しなければならなかった。そういった状況を変えるには政府の力が必要となるだろう。
いうまでもなく、「賃金条例」が登場する前に、「労動契約法」や「地方最低賃金の標準」などの法律法規はある意味で労働者賃金の増加に役立つものであった。しかしこれらの法律法規は結果的に賃金増加のメカニズムを形成していなかった。政府は企業の効率と労働者権益の間で揺れ動いていた。その結果、すでに制定された法律法規への厳格な実施がなされていなく、最低賃金制を断る企業に対して政府には法律上の救済を行うこともできない。
要するに、既得権益グループの利益が中国普通国民の増給に取って代わって、市場を独占する企業の利益が市場の公平さに取って代わったため、市場経済の基礎が損なわれた。中国政府は「労動契約法」と「賃金条例」を改訂して最低賃金をCPIにリンクしなければならない。それは労働者の実際生活の水準はCPIの上昇に伴い直線的に下落することを避けられることであろう。これから国民所得の倍増計画も考えるべきであり、社会大肖母铯违偿攻趣摰¥工搿貏荬韦ⅳ敫吖伽母铯喂麑gを享受する現状を抜本的に変えなければならないだろう。