夜更けに空を仰ぐ。雲間に、全天一の輝きをもつ恒星シリウスが青白い光を放っている。その右上にオリオン座の雄大な四辺形が浮かぶ。「オリオンは高く うたひ/つゆとしもとを おとす」。こう詠んだ宮沢賢治のふるさと、岩手県の花巻市を訪ねた。
深夜时分仰望星空。天空中,拥有整片蓝天光辉的恒星天狼星绽放出蓝白色的光芒。在它的右上角,猎户星座的大的四边形浮现了出来。“猎户星座高挂天空 歌唱/露水和霜冻则慢慢滴落”。笔者拜访了写这诗的宫泽贤治的故乡——岩手县花卷市。
夜が明けると、薄日の差す空から、はらはらと雪が落ちていた。ほおにひとつ、またひとつ、はかなくとけてゆく。雪をかぶった小さな広場に足を踏み入れると、賢治の童話「雪渡り」の世界が目に浮かんできた。
夜晚即将逝去时,从东方透出一线曙光的空中,雪花开始慢慢的飘落。一片又一片落在脸上,很快的就融化了。进入被冰雪覆盖的小广场,眼前就浮现出贤治的童话故事《过雪地》中的世界。
「堅雪かんこ、凍(し)み雪しんこ」。こう言い交わしながら、人間の子どもと狐(きつね)の子たちが心を通わせてゆく。動物も人間も、一度だけの生を生きる者同士という思いが感じられる。
“硬雪梆梆,冻雪铛铛”。交谈着交谈着,人类的孩子和小狐狸们的心就相通了。我们能感受到无论是动物还是人类,都是只有一次生命的生物的这种想法。
雪で人工的なものが白く覆われたせいか、山や川と人との間に一体感が生じているように見える。悠久の自然と命ある生き物とは対照的だが、銀河系の片隅でたまたま時を同じくして巡り合ったもの同士と考えれば、交感があっても不思議ではない。
也许是因为下雪将人工造出来的东西都被覆盖了的原因吧,山川,河流,人类看起来也像是合而为一了。悠久的自然和有生命的生物虽然是不同的,但若是考虑下,在银河系的某个角落,某个时间,大家是会偶尔相遇的朋友,那么大家的心灵相通也并非是什么不可思议的事情了。
賢治がかつて教えた農学校を前身とする花巻農業高校に、こんな碑文がある。「われらに要るものは 銀河を包む 透明な意志 巨きな力と 熱である」
贤治曾经教学的地方——农业学校的前身花卷农业校园里,有这样一块碑文。“我们需要的东西是,包裹着整个银河的,透明的意志,巨大的能量和热情”。
近くには、賢治が農民や若者を指導したという建物が保存されている。入り口に、こう書かれている。「下ノ畑ニ居リマス」。賢治はもう、畑には居ない。しかし、生き物だけではなく、宇宙や大地の鼓動に舛虺韦蓼护烤瘠颉⒔瘠长缴筏郡ぁQ─蚊窦窑螒蹩冥恕⒄嘛棨辘椁幛韦蛱鳏幛胜椤①t治の居場所を思った。
在那附近,贤治曾经指导农民和年轻人的建筑物还保留着。在那入口,这样写着“我在下面的农耕地中”。当然,贤治已经不在农耕地中了。但他希望我们去发挥不仅仅是对有生命的物体,还有对宇宙和大地的鼓动,静下心去倾听的精神。在堆满了积雪的民户的门前,作者一边看着装饰正月的饰品发出的光芒,一边想着贤治居住的地方。