車の話である。フィアット500が発売50周年を祝った。生産終了から30年たつが、ころころと子豚似の姿はチンクエチェント(500)の名で愛され続ける。過日の式典には各国から1500台が集まった。
今天的话题是意大利微车。菲亚特500庆祝发售50周年。虽已停产30年,但其圆嘟嘟、似小猪仔的外形一直为大家喜爱,取名为500。前几天的庆祝典礼上汇集了从各国运来的1500台菲亚特500。
虚飾(きょしょく)を排した13馬力(ばりき)の豆自動車に改良を重ね、世界で360万台が売れた。「楽しく、可笑(おか)しく、微笑(ほほえ)ましく、そして時に哀(かな)しく……小さな身体(からだ)の中にはイタリアの薫りがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた」(岡崎宏司『わが心に残る名車たち』光文社)。
摒弃虚饰的1.3升微型汽车经过不断改良,在世界上销售了360万台。“快乐、滑稽、好笑,时而悲伤……微小的车身充满着意大利的风格”(冈崎宏司《留在我内心的名车》光文社)。
チンクエチェント博物館(愛知県南知多町)の深津浩之さんは語る。「整備なしには走ってくれず、仱晷牡丐饪爝mではないが、自動車の機能はすべて備えている。機械の本質を伝える生きた遺産です」
500博物馆(爱知县南知多町)的深津浩之说:“不好好保养就无法行驶,乘坐也不是很舒适,但它具备了汽车的所有功能。是反映了机械本质的活遗产”。
生産を止めた75年、皮肉にも「簡素を是とする時代」の幕が開く。同じ年、日本の衣料大手レナウンは〈飾らない、自分自身を偽らない生活〉を掲げたブランド「シンプルライフ」を発表した。西友が無印良品を世に問うのは5年後だ。
菲亚特500停产于1975年,具有讽刺意味的是,是年“简约为美的时代”幕布开启。同年,日本衣料大型企业RENOWN发布了提倡“不虚饰、不掩饰自我的生活”的品牌“简约生活”。5年后西友公司的品牌无印良品问世。
衣食足りれば、関心は楽しみや安らぎに向かう。価値観は枝分かれする。中で一つ確かなのは、資源や環境の制約だ。大きく激しいモノやコトは、存在理由を厳しく問われよう。筆頭はもちろん、戦争である。
丰衣足食了,人们的注意力就会倾向于享受和安逸。价值观出现分化。其中一点可以肯定的是资源和环境的制约。大规模的、激烈的东西或事情的存在理由将受到责问。不用说,首当其冲的就是战争。
欧州の路地裏で出会うチンクは、もともとベソをかいたような前面がつぶれ、大泣きになっていたりする。だが、まとう空気は雄弁だ。道具に飾りは要らぬ/まず人が汗をかけ/暑けりゃ窓を開けよ。それは地球からの伝言にも聞こえる。
在欧洲的小巷里遇到的菲亚特500,原先象小孩子哭相的车子前端已损毁,变成了咧嘴大哭。但是,我们身边的空气就是最好的证明。不需要道具来掩饰/人总要出汗/热了就开窗吧。这听上去象是来自于地球的口信。