数字のホント?ウソ?
たとえば、ある重大な病気にかかっている人に、有効と考えられる薬があるとしましょう。服用するするのは一回だけです。それにより良くなる可能性は高いのですが、しかし重大な副作用が起きる確率も5%あります。その5%の全体での割合ですが、どんな体質の人だと高く、どんな体質だと低いのかは、①まったく不明です。このとき、医者Aは患者さんたちに対して、次のように述べました。
「この薬を一回だけ服用すると、病気は良くなることが多いが、確率5%で重大な副作用が起きる。」
(②)医者Bは患者さんたちに対して、次のように述べました。
「この薬を一回だけ服用すると、病気はよくなることが多いが、100人につき5人は重大な副作用が起きる。」
違いは「確率5%で」と{100にんつき5にんは}だけです。そして数学的に言えば、非常に厳密な差は別として、AがいっていることとBが言っていることは基本的に同じです。もちろん「100人につき5人は」の代わりに「20人につき1人は」といっても同じです。
しかし(③)、いしゃAの言い方のほうが、その薬の使用をためらう患者さんは一般的に多くなるそうです。
服用:薬を飲むこと
副作用:薬などを服用した場合に、目的以外に現れる結果
確立:あることが起こりうる割合
体質:体の質
不明:分からないこと
厳密:正確
問題
問1 ①「まったく不明」とあるが、何が不明なのか。
1 重大な病気にかかりやすいのは何%の人かが不明
2 薬が病気に対してどのくらい有効かが不明
3 どんな体質の人だと病気がよくなるかが不明
4 副作用が出る可能性が高いのはどんな体質の人が不明
問2 (②)に入る最も適当なものはどれか。
1 だから
2 一方
3 その上
4 といえば
問3 (③)に入る最も適当なものはどれか。
1 それにもかかわらず
2 とはいうものの
3 その反面
4 先に述べたとおり
正解:4 2 1