【 さ行 】
●塞翁(さいおう)が馬
人生の幸せも不幸せも予想がつかないことを言う。昔、辺境(へんきょう)のとりで近くに住む翁(おきな)(男の老人)の馬が逃げてしまい人々がなぐさめたところ、翁は「これが良いことになるかもしれない」と言い、後日その馬が駿馬(しゅんめ)を連れて帰ったので人々が喜ぶと、 翁は今度は「何か悪いことが起こるかもしれない」と言った。不幸なことに翁の息子が落馬し足が悪くなってしまった。すると翁は「また何か良いことがあるかもしれない」と言った。何と今度は戦争が起こり、健康な若者はみな兵士へと連れて行かれたのに翁の息子は足の悪いことが幸いして徴兵(ちょうへい)を免(まぬが)れたという故事から来ている。
●歳月(さいげつ)人を待たず
年月は人の都合(つごう)など構(かま)わずどんどん過ぎていくということ。
●才子(さいし)才に倒(たお)れる
自分の知識に自信を持ちすぎてかえって失敗すること。
●鷺(さぎ)を烏(からす)
白いものを黒だと言い張る。明らかに違っていることを主張してやまない。
●先んずれば人を制す
人より先に物事を行えば他人を押さえて有利になるが、遅(おく)れると人に押さえられて不利になる。先手を打つことが肝要(かんよう)である、という意。
●策士(さくし)策に溺(おぼ)れる
駆(か)け引きのうまい人は、つい自分の策略(さくりゃく)に頼りすぎて、かえって失敗する。
●酒は百薬(ひゃくやく)の長
酒は適当な量だと、どんな薬よりも元気が出るということ。
●砂上の楼閣(ろうかく)
基礎がしっかりしていないのですぐに失敗しそうなこと。
●五月の鯉(こい)の吹き流し
さっぱりとして心にわだかまりのないたとえ。端午の節句に立てるこいのぼりには腸(はらわた)がないから言う。
●皿(さら)なめた猫(ねこ)が科(とが)を負う
魚を盗(ぬす)み食いしたネコは逃げてしまい、あとから皿をなめたネコが罪を着せられる。大きな悪事を犯した張本人が捕まらずに、それにちょっと関係した小物ばかりが捕まって刑罰を科せ椁欷搿?
●猿(さる)に烏帽子(えぼし)
サルに烏帽子をかぶせたように、柄(がら)に似合わない言動のこと。
●猿(さる)も木から落ちる
どんな名人でも時には失敗することもある。類:河童の川流れ、上手の手から水が漏る、弘法も筆の誤り、天狗の飛びそこない
●去る者は負わず
自分のもとを去ろうとする者は無理には引きとめない。
●去る者は日々に疎(うと)し
死んでしまった人は、日数がたつにつれて世間からしだいに忘れられてゆく。親しかった人も、遠くはなれてしまうとしだいに疎遠(そえん)になる。
●触(さわ)らぬ神に祟(たた)りなし
関係さえしなければ、災いを招くことはない。よけいな手出しはするな。
●三顧(さんこ)の礼
目上の人が、礼を尽くして人を迎(むか)えること。
●三十六計逃げるに如(し)かず
計略(けいりゃく)にはいろいろあるが、一番よい手は逃げるべき時には逃げて身の安全をはかることだ。ふつう、困って逃げるとき、ひきょうだと言われるのを自ら慰(なぐさ)めるためにいう。
●山椒(さんしょう)は小粒(こつぶ)でもぴりりと辛(から)い
体は小さくても、才気や能力のある人がいるということ。山椒の実は小さいけれども、非常に辛いところから言う。
●三省(さんせい)
たびたび反省する。「三」は、三回ではなくしばしばの意味。
●三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵
平凡(へいぼん)な人間でも、三人寄り集まって考えれば、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の知恵のようにすぐれた知恵が出る。「文殊」は知恵をつかさどる菩薩。
●算を乱(みだ)す
ばらばらに散ること。