【 か行 】
●飼(か)い犬に手をかまれる
日ごろから世話をしている人などに裏切られて、ひどい目にあうこと。
●快刀乱麻(かいとうらんま)を断(た)つ
よく切れる刀でもつれた麻(あさ)を切る意で、紛糾(ふんきゅう)して収拾(しゅうしゅう)がつかない物事を鮮(あざ)やかに処理すること。
●隗(かい)より始めよ
物事は、まず言い出した者から始めよ。
戦国時代、燕(えん)の昭王(しょうおう)が賢者を招く方法を、その臣郭隗(かくかい)に尋(たず)ねると、隗は死馬の骨を千金で買った故事を引き、「まず私をよく待遇(たいぐう)することから始めなさい」と答えた話。
●蛙(かえる)の子は蛙
子の才能や性質は親に似るものである、というたとえ。平凡な人の子はやはり平凡人である、という意。類:瓜のつるに茄子はならぬ
●蛙の面に水
どんなことをされても、どんなことを言われても平気で、少しも感じないこと。 類:蛙の面に小便
●蝸牛角上(かぎゅうかくじょう)の争い
つまらない争い。狭(せま)い世界でのこせこせした小さな争い。「蝸牛」はかたつむりのことで、蝸牛の角(つの)の右と左にいる者が戦って多くの死者を出したという寓話(ぐうわ)から。
●学者の取った天下なし
学者は学問の上では政治を論じるが、実際にはうとくてみずから政治を行うことはできない。
●学問に王道なし
学問というものには、手軽(てがる)に身につける特別な近道はない。
●楽屋から火を出す
自分で災(わざわ)いを引き起こす。
●籠(かご)で水くむ
いくらやっても無駄(むだ)なこと。
●河清を俟(ま)つ
にごっている黄河(こうが)の水が澄(す)むのを待つように、いくら待っても無駄(むだ)なこと。
●風吹けば桶屋(おけや)が儲(もう)かる
何かが起こったことによって第三者が得をすることで、 由来(ゆらい)は 風が吹(ふ)くと土ぼこりが目に入り目の病気になる人が増え、目の見えない人の使う三味線(しゃみせん)の需要が増え、三味線(しゃみせん)の材料になる猫(ねこ)の皮が必要になり、その結果ねずみが増えて桶がかじられ桶屋が儲かるといった具合。
●火中の栗(くり)を拾う
他人の利益のために、あえて無理をして危険なことをする。
●勝って兜(かぶと)の緒(お)を締(し)めよ
勝負に勝ったり、事業などで成功したりしても、油断(ゆだん)せずに気を引き締(し)めよということ。
●河童(かっぱ)の川流れ
本来得意なことなのに、油断(ゆだん)して失敗してしまうこと。類:弘法も筆の誤り、猿も木から落ちる、上手の手から水が漏る
●勝てば官軍、負ければ賊軍
勝ったほうが正しいとされ、負けたほうが悪いとされるのが世のならわしである。
●瓜田(かでん)に履(くつ)をいれず
瓜(うり)の畑でくつがぬげても、かがんでくつをはくことはしない。瓜を盗(ぬす)んでいると疑(うたが)われるから。疑われるようなまぎらわしいことはしない。「李下に冠をたださず」の句と対。
●かにの横ばい
かにの歩き方のように、他人から見ると不自由なようでも、当人にとっては自然なこと。
●かには甲羅(こうら)に似せて穴を掘る
人は自分の身分や力量に応じた言動をするものだ。
●金持ち喧嘩(けんか)せず
ケンカをしても得するものがない上に失うものは多いので金持ちはケンカをしない。軽はずみなことをしないという意。
●金を貸せば友を失う
友人同士の金の貸し借りは、返らない場合必要以上のトラブルになって友を失うことになりかねない。むしろ断るほうがよい。
●壁(かべ)に耳あり障子(しょうじ)に目あり
どこでだれが聞いているか、どこでだれが見ているかわからない。密談(みつだん)や秘事(ひじ)はとかくもれやすい、という意。
●果報(かほう)は寝て待て
幸運はあせらずに、静かにその時機の来るのを待つがよい。
●上(かみ)に交(まじ)わりて諂(へつら)わず下(しも)に交わりて驕(おご)らず
身分や地位の高い人に接してもへつらうことがなく、逆に、低い身分の人に接しても、いばったりすることがない。そういう人は、事を成す人物である。
●亀(かめ)の甲(こう)より年の功(こう)
高齢者の長い年月の経験は、とても尊いということ。
●鴨(かも)の水掻(みずか)き
水に浮かんだ鴨はゆったりしているようでも、水面下では絶えず足で水を掻(か)いている。よそ目にはわからないが、本当は苦労や心配が絶えないこと。
●借りる時の地蔵顔(じぞうがお)済(な)す時のえんま顔
借りるときにはにこにこして喜んだのに、返すときには渋(しぶ)い顔をする。類:借りる時のえびす顔返す時のえんま顔
●枯れ木も山の賑(にぎ)わい
枯れ木でも山の景観(けいかん)をにぎやかにするのに役立つ。つまらないものでもないよりはましである。
●彼(かれ)も人なりわれも人なり
彼も我も同じ人間、彼にできることが自分にできないはずはない、と自分を叱咤激励(しったげきれい)する言葉。
●可愛い子には旅をさせよ
可愛い子には苦労の多い旅をさせて、世の中の苦しみやつらさを経験させたほうが、その子の将来のためになる。
●可愛さ余って憎(にく)さが百倍
可愛いと思う心が強かっただけに、いったん気持ちが変わって憎いとなったら、非常に憎しみが増すこと。
●川向(かわむかい)の火事
自分には直接何の関わりもないことのたとえ。
●閑古鳥(かんこどり)が鳴く
人影がなく寂(さび)しいようす。非常にさびれたようす。商売などがはやらないことに言う。
●勘定(かんじょう)合って銭足らず
計算に間違いはないのに、現金が不足する。理論と実際とが伴わないこと。
●肝胆(かんたん)相照らす
互いに真心(まごころ)をもって交わる。お互いの気持ちがぴったり合う。
●肝胆(かんたん)を砕(くだ)く
知能のある限りを尽くして思案(しあん)する。
●艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉にす
人間は苦労を重ねて、はじめて立派な人物になることができる。
●完璧(かんぺき)
完全で欠けたところがないこと。藺相如(りんしょうじょ)が璧(たま)を無傷のまま持ち帰ったことから。「璧(たま)を完(まっと)うす」とも言う。
●菅鮑(かんぽう)の交わり
菅鮑は、中国の春秋時代の菅仲(かんちゅう)と鮑叔牙(ほうしゅくが)のことで、二人は少年時代から生涯変わらない友情をもって交際したということから、信頼しあう友としてのつきあい。