●孟母(もうぼ)三遷(さんせん)の教え
子どもの教育には環境が大切である。孟子(もうし)の母ははじめ墓(はか)に近いところに住んでいたら、幼い孟子が墓(はか)を作る遊びばかりするので市中に引っ越した。ところが今度は商いのまねをして遊ぶ。そこでさらに学堂のそばに引っ越したら今度は祭礼の儀式(ぎしき)のまねごとをして遊ぶようになったので、この場所に住みつづけることにしたという故事による。
●本木(もとき)に勝る末木(うらき)無し
「幹(みき)」よりも優れた枝(えだ)はないということから、どんなに色々比べてみても初めに選んだ物がよい、という意味。
●餅(もち)は餅屋
物事にはそれぞれ専門(せんもん)があり、何事もその専門家にまかせるのが一番いいということ。
●元の木阿弥(もくあみ)
再び以前の状態にもどる。
●物言えば唇(くちびる)寒し秋の風
何事も物を言えばあとでたいてい後悔(こうかい)する。特に人の悪口を言ったあとは自分自身がいやになる。
●桃栗(ももくり)三年柿八年
どんなことでも、やりとげるにはそれなりの年月をかけなければならないということ。
●貰(もら)う物は夏も小袖(こそで)
人からもらう物なら、不要の品でも何でも辞退(じたい)しない。欲の深いことのたとえ。
●門前市をなす
門の前に市場が出来るほど、その家に出入りする人が多く集まっているようす。
●門前雀羅(もんぜんじゃくら)を張る
訪れる人がだれもいなくて寂(さび)れているようす。訪問客がなくなり、門の外に雀(すずめ)が群がって、網(あみ)を張って雀(すずめ)を捕らえることができるという意味。
●門前の小僧(こぞう)習わぬ経を読む
寺の門前に住む小僧は、ひとりで聞き覚えてお経を読む。ふだん見たり聞いたりしていると、習わなくても、自然にそれを覚えるものである。