●風樹の歎(たん)
親孝行しようと思った時には親は亡く、親孝行出来ないことの嘆(なげ)き。
●風前のともしび
風の前に置かれた「火」は消えやすいことから、物事が危機(きき)に面していることを言う。
●覆水(ふくすい)盆(ぼん)にかえらず
太公望(たいこうぼう)の妻(つま)は、読書ばかりしている太公望に愛想をつかして出ていったにもかかわらず、彼が斉の宰相(さいしょう)になったら復縁(ふくえん)を求めた。この時太公望は水の入ったお盆をひっくり返し、「元に戻せたら希望に応じる」と言った。この中国の故事から、一度別れた夫婦は元には戻(もど)らないということ。また、一度やってしまったことは取り返しがつかないことをいう。
●不肖(ふしょう)
父に似ない愚(おろ)か者という意。また、自分のことを謙遜(けんそん)していう語。
●二人口は過せるが一人口は過せぬ
夫婦二人分の生活費は、一人の場合に比べて二倍かかるわけではなく、経済的な暮らしをするからかえって安上がりになる。
●船は帆(ほ)でもつ帆は船でもつ
帆があればこそ舟も役に立ち、帆も舟があればこそ使い物になる。人は互いに助け合ってこそなりたっていくものである。
●古川に水絶えず
旧家(きゅうか)は衰(おとろ)えてもたやすくはつぶれない。昔金持ちだった家には、没落(ぼつらく)しても昔をしのばせるような立派(りっぱ)な物が何かと残っているものだ。
●刎頚(ふんけい)の交わり
その人のためなら、たとえ首をはねられても構わないほどの深い交わり。「刎頚の友」とも言う。
●糞(ふん)は出たが別が出ない
うまい考え(分別)が出てこないというしゃれ。