●ひいきの引倒し
あまりひいきしすぎて、かえって悪い結果になること。
●非学者論に負けず
学問のない者は学問をした者と議論する場合にはかえって負けないものだ。道理のわからない者はいくら筋道(すじみち)のたった話をされても、その意味や負けたことがわからないから、あくまでも自分の暴論(ぼうろん)を主張してゆずらない。
●引かれ者の小唄(こうた)
刑場に引き連れていかれる罪人が、平気を装(よそお)って小唄を歌う。負け惜しみに、しいて強がりを言うこと。
●庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)を取られる
ほんの軒先(のきさき)を貸したのに、しまいには家全体を取られてしまう。自分の持ち物の一部を貸したため、言いがかりをつけられて、ついにその全部を奪(うば)われるようになる。恩を仇(あだ)で返される、という意。
●皮相の見(けん)
うわべだけを見て、内容について考えないこと。
●匹夫(ひっぷ)の勇
思慮(しりょ)もなく、単に血気(けっき)にはやるだけの小さな勇気。「匹夫」は低級な男。
●必要は発明の母
必要にせまられると、やむなく工夫(くふう)や発明がなされる。
●火に油を注ぐ
勢いがあるものをあおりたてて、さらに勢いをつけてしまうこと。
●人の噂(うわさ)も七十五日
噂というものは、しだいに忘れられていくということ。
●人の口に戸は立てられぬ
世間の口はうるさいもので、とかくの批評を防ぐことはむずかしい。
●人のふり見て我がふり直せ
人の行動のよい点や悪い点を見て、自分の行動を反省し欠点を改めよ。
●人は一代名は末代
人の肉体は一代限りだが、業績や名誉は長く後世に残る。
●火の無い所に煙(けむり)は立たぬ
火の気のないところから、煙が立つことはない。多少であれ噂(うわさ)が立つのは、何か原因があるものだ。
●百聞(ひゃくぶん)は一見にしかず
人の話を何度も聞くよりも、一度実際に自分の目で見たほうがよくわかる。
●百里を行く者は九十里を半ばとす
百里の道を行こうとする者は、九十里行ってやっと半分まで来たと考えよ。何事も完成に近づくと気がゆるみ失敗しやすいから、九分どおり済んだあたりを半分と心得て努力せよ、という意。
●冷や飯を食わせる
冷たい態度であしらうこと。
●氷炭(ひょうたん)相容(あいい)れず
性質がまったく反対で、合わないこと。
●瓢箪(ひょうたん)から駒が出る
ひょうたんの中から本物の馬が飛び出す。考えもつかなかったところから、思いがけない結果が出ること。
●貧(ひん)すれば鈍(どん)する
貧乏になると、利口な人も愚(おろ)かになる。
●貧乏(びんぼう)暇(ひま)なし
貧乏な者は生活に追われるので、忙(いそが)しくて時間のゆとりがない。