●泥中(でいちゅう)の蓮(はす)
ハスの花は泥(どろ)の中から咲くにもかかわらず白くてきれいなことから、汚れた環境の中にいてもその影響を受けることなく「けがれなさ」を保つこと。
●敵に塩を送る
ふだんは相争っているライバルが、競合分野でない方面で困っている時、それに援助を与えること。戦国時代、甲斐(かい)の武田信玄が今川・北条両氏から経済封鎖(けいざいふうさ)をされて困っていた時、戦場では敵対していた越後(えちご)の上杉謙信が、信玄に塩を送ってこれを助けたという話に基づく。
●敵は本能寺に在り
本当の目的は、見かけとは違って別のところにある。明智光秀が、備中(びっちゅう)の毛利勢を攻めるために出陣した行軍の途中で、急に方向を変えて、京都の本能寺にいた主君・織田信長を討った故事による。
●敵を見て矢を矧(は)ぐ
目の前の必要に迫(せま)られて、初めて準備に取りかかる。 類:泥棒を見て縄をなう
●鉄は熱いうちに打て
大人になってからでは難しいので、純粋な気持のある若いうちにきたえておくとよい。
●出る杭(くい)は打たれる
ほかの杭より高く出た杭は打ちへこまされる。差し出たふるまいをする者、または頭角(とうかく)を現す有能な者は、他から憎まれたり妨(さまた)げられたりする、という意。類:出る釘は打たれる
●天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)
天地の間に自分より尊いものはないということで、人格の尊いことを示したことば。
●天に唾(つばき)す
人をひどい目にあわせようとして、かえって自分がひどい目にあうこと。
●天は二物(にぶつ)を与えず
人はよいところがあれば必ず悪いところがあるものだ。よいところばかりそろった人はいないものだ。
●天は自ら助くる者を助く
だれにも頼らず独り立ちして努力する者に、天は幸福をもたらす。
●天網(てんもう)恢恢(かいかい)疎(そ)にして漏らさず
どんな小さな悪事でも、天罰を免れることはできない。天が張りめぐらした網の目は粗(あら)いが、悪事をはたらいた人は一人も漏(も)らさず処罰する。