最後は「蛇(じゃ)」と「蛇(へび)」
「蛇(じゃ)」
――が蚊を呑(の)んだよう
あまりに少量で、腹の足しにならないことのたとえ。
――の道は蛇(へび)
同類の者は互いにその事情に通じている、ということ。
――は一寸(いつすん)にして人を呑(の)む
蛇は一寸ほどのときから人を呑む勢いを示す。すぐれた人は幼少の頃から他人を圧倒するものがある。栴檀(せんだん)は双葉より芳(かんば)し。
「蛇(へび)」
――穴に入(い)る
秋になって、蛇が冬眠のために穴にはいる。[季]秋。《―時曼珠沙華赤し/正岡子規》
――穴を出(い)ず
春になって、冬眠からさめた蛇が穴から出てくる。[季]春。《けつかうな御世とかや蛇も穴を出る/一茶》
――に見込まれた蛙(かえる)のよう
恐ろしさに身がすくんで動けないさま。また、大敵にねらわれて、抵抗できないこと。
――の生殺(なまごろ)し
(1)半死半生にして放っておくこと。殺しもせず生かしもしないこと。
(2)物事を、決着をつけないであいまいにしておくこと。