辞書には
『〔形口〕卆ぬく・し〔形ク〕
1 気候や温度が程よく気持がよい。あたたかい。《季・春》*名語記‐三「あたたかなるを、ぬくしといへる」
2 金銭を多く持っている。裕福である。*雑俳・あふむ石「隣へぬくひ冬をみせ」
3 鈍い。ぐずである。愚かである。のろまである。*俳・当流籠抜「談義はぬくひ波よする磯」
国語大辞典(新装版)小学館 1988』
と載っています。
関西限定の言葉というわけではなさそうですが、方言には違いないようです。
気温の場合にも、物の温度の場合にもどちらにも用います。
【例】
「今日はぬくいですねぇ」
我が家の風呂の追い炊きコントローラには「保温」というボタンと「あったか」というボタンがあります。「あったか」ボタンを押すと設定した温度より+2℃高い温度まで追い炊きしてくれます。
「あったか」という言葉はいかにも東京弁らしい響きがしますし、私も「あったか」などという言葉は使いません。
でも、もし「あったか」ではなく「ぬくー」とか表示されていたとすれば、さすがに元関西人の私でもカッコ悪いと感じると思います。