日语阅读学习:报刊杂志精品选读第11期

来源:网络发布时间:2010-03-29

  天声人语精选一
  19世紀末、アイルランドにチャールズ・ボイコットという名の農地管理人がいた。強権ぶりに小作人たちが反発し、示し合わせて、彼の発する命令はおろか朝夕のあいさつも無視する作戦に出た。不参加とか不買の抗議行動を意味するボイコットはこれに由来する。
  日本製品に対するボイコットが中国で激発している。きっかけは教科書検定や国連改革など最近の日本の動きにあるようだが、狙われる側はたまらない。アサヒビールや味の素などが一部の店で撤去された。ジャスコやイトーヨーカ堂は窓や広告板を割られた。昨日、北京では「日本製品排斥」を叫ぶデモ隊が、日本大使館や和食店に押し寄せた。
  不買の標的とされた企業の大半は、中国紙に「歴史を歪曲(わいきょく)する教科書に援助した」と名指しされているが、これは誤報である。和食店やスーパーはたまたまデモの沿道にあり、日本の象徴として目についたらしい。
  日貨排斥は明治末期からアジア各地で何度も起きた。70年代初め、タイでは日本の象徴としてデパートの大丸が狙われた。米国との貿易摩擦の季節には、日本車がこれ見よがしにたたき壊された。
  その米国もいま息の長いボイコットを浴びる。イラク政策に憤る不買の波は、中東だけでなく欧州や南米でも静かに続く。外食ではマクドナルド、飲料ならコカコーラあたりが常に標的となる。
  あのボイコット氏は結局、小作人の抵抗で土地を追われ、不名誉を歴史に刻んだ。今回の事態も、対応次第ではさらにこじれてしまう。なにより外交の機敏さ、冷静さが問われる。2005年04月10日(日曜日)付
  東京では、2日続けて初夏を思わせる陽気となった。咲いたばかりと思っていた桜が、場所によっては散り始めた。
  昨日都心の公園では、時折強く吹き抜ける春風に乗って花びらが高く舞っていた。周囲の常緑樹の枝を離れた春落ち葉と絡み合う。それも興趣だが、風よ、せめて2日ほど吹かずにおれないかという思いもした。
  『源氏物語』に、風に散る花を惜しみつつ姫君や女房が歌を詠むくだりがある。「桜ゆゑ風に心のさわぐかな思ひぐまなき花と見る見る」。桜ゆえに風が吹くたびごとに心も落ち着かない、思うかいのない桜とは知りながら(『新日本古典文学大系』)。
  桜の花は、過ぎ去った人々の姿や思いを、後世の人々がしのぶよすがでもある。「手折り来し花の色香はうすくともあはれみたまへ心ばかりは」。この良寛の歌は、西行法師の墓前で詠まれた。西行の作「仏には桜の花をたてまつれわが後の世を人とぶらはば」に応じたという(宮柊二「良寛の人と歌」)。
  〈さまざまのこと思ひ出す桜かな 芭蕉〉。桜のタイムカプセルのような作用は、人が自らの生を振り返るのを促す。1年前や、そのまた1年前のことを桜が思い起こさせる。以前にはあって、今は無くなったものや人を思う。あるいは、前には無くて今あるものや人を見やる。
  桜前線は、来週には新潟辺りに達するという。地震では多くのものや人が失われた。今年の桜は、つらい思いを誘うかもしれない。しかし、そういう年こそ、律義に花開く桜の姿が、人々の力を呼び起こすようにと念じたい。2005年04月08日(金曜日)付

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