文の話題の中心となる事柄をとりたてて示す「題目・主題・話題・提題/テーマ」の『は』
この「は」は非常によく使われるものです。
「これは本です」「AはBにCを紹介した」「この絵は娘が描きました」「象は鼻が長い」「スイカは僕が全部食べた」「たばこは絶対にいけません」等。
ちょっと分析してみましょう!
例1:「これは本です」
「これ」はこの文の主題・題目です。この文の場合、「これ」と「本です」はいわゆる「主述関係」(「主語」と「述語」の関係)にあると一般に言われますが、違う意見の人もいます。
<注>三上章氏らの著作を参考のこと。
例2:1)AはBにCを紹介した。
2)BにはAがCを紹介した。
3)CはAがBに紹介した。
これらはすべて「AがBにCを紹介した」ということを言っているのですが、「が」「に」「を」で示されるものが話題としてとりたてられる場合、その部分が文の頭に行き、
「が」→「は」/「に」→「には・は(位置)、には(方向)」/「を」→「は」となるのです。
例3:「スイカは僕が全部食べた」
「は」で話題を提示し、「が」で動作主(動作をするもの)を示します。この場合、「は」の部分は「食べた」動作・行為の対象となっています。例2の「を」→「は」と同じですね。
例4:「象は鼻が長い」
この文では、「象」が主題・題目としてとりたてられています。「は」によって示されるものが「鼻が長い」という説明部全体と対応しています。
「象=長い」ということではありません!ここでは、「~が」の部分が「長い」という状態・性質を持っているということで、その「鼻」は「象」の体の部分ですから、「象の鼻が長いこと」ということで「(象)の」→「(象)は」になったと考えることができます。
「象は」が大主語で「鼻が」が小主語であるとする考え方もあるようです。「私は胃が悪い」「ドイツのビールは種類が多い」「東京は人口が多い」というのも同じ構造になっていますね。