003 ~上げる/~上がる
他動詞:[ます]形 + 上げる
自動詞:[ます]形 + 上がる
♪ 会話 ♪
佐藤:課長、遅くなりましたが、上海に出張の報告書ができ上がりました。御覧いただけますか。
課長:おう、書き上がったか。しかし、長いなあ。要約を一ページつけてから部長へ上げよう。
李 :君も今度のことでは大いに株を上げたな。こんなに難しい交渉をまとめたとは、ほんと、たいしたものだよ。
♯ 解説 ♭
付属動詞「~上げる」は、「~を<他動詞>+上げる」「~が<自動詞>+上がる」という形になります。意味上は上方への移動、程度の強調、完了・完成の三つに分かれます。これは上への移動から上の極へ到達するにつれて、「完全に~」の意味の程度強調へ、更に完成・完了へと意味が拡大したものです。
<上方へ移動>
~が飛び上がる・~が立ち上がる・~を見上げる・~を持ち上げる…
<程度の強調>
~が晴れ上がる・~が震え上がる・~を鍛え上げる・~を磨き上げる…
<完了・完成>
~ができあがる・~~が刷り上がる・~を書き上げる・~を育て上げる…
§ 例文 §
1.合格の知らせを聞いた娘は、飛び上がって喜んだ。
2.見上げると、晴れ上がった青空を鳥たちが飛び交っていた。
3.武道で鍛え上げた男の体は、まるで鋼のようだった。
4.何カ月もかかって作り上げた作品を前にして、わたしは喜びがこみ上げてきた。
5.「おい、例のもの、でき上がったかい?」「細工は流々、仕上げをごろうじろ」
★ 例題 ★
1) 変わり果てた友の姿を見て、(思わず/ふと)涙(が/を)こみ上げ(てきた/ていった)。
2) ご飯が(炊く→ )上がったよ。みんな、仕事を(切る→ )上げて食事( )しないか。
答案:
1) 思わず(自然な感情)/が(自V)/てきた(→文型181)
2) 炊き/切り/に(N+にする:「何にする?」「僕はこれにする」)