問:
高校『日語』第1冊第13課には「この交流を通して」とあり、第2冊第14課には「今回のボランティア活動を通じて」とあります。「~を通して」と「~を通じて」は、どちらも中国語では「通?…」と訳します。この区別がよく分かりません。
答:
「~を通して」と「~を通じて」は、同じように使える場合が多いです。教科書の場合も、どちらに置き換えても使えます。何かが成立したり、何かが行われるときの「媒介」や「手段」、「期間」などを表しています。例文①はインターネットを媒介にしており、例文(2)は1年間ずっとという意味を表しています。
(1) 2人はインターネットを通して/を通じて知り合いました。
(2) わたしの国は1年を通して/通じて暖かいです。
「~を通して」と「~を通じて」は同じように使えますが、ニュアンスの違いがあります。
(3)現地の大使館を通じて、外務省に事件の第一報が入った。
「~を通じて」は書き言葉的です。例文(3)のように、新聞やニュース報道、報告書などの硬い文章では、「~を通じて」のほうがよく使われます。
(4)社長と面会するには、まず受付を通して連絡をとってみてください。
(5)具体的な事例を通して考えていきたい。
例文(4)のように人などを間に立てて、何かをするという積極的な意味が伴っている文には「~を通して」のほうが自然です。また、例文(5)ように意志的な文との結びつきも強いといえます。ですから、ただ事実を述べる「受付を通して連絡があった」という文を「を通じて」と置き換えても、ニュアンスはそれほど変わりません。