#あそば・す【遊ばす】
(他サ四){さ|し|す|す|せ|せ}
〔動詞「遊ぶ」の未然形「あそば」に上代の尊敬の助動詞「す」の付いたもの〕
动词「遊ぶ」的未然形「あそば」后接上代的尊敬助动词「す」构成的;
#遊宴・狩猟・管弦・詩歌・碁(ご)などの遊びをする意の尊敬語。なさる。お弾きになる。お詠みになる。
游宴会、狩猎、管弦、诗歌、围棋等的游乐的尊敬语。做。弹奏。吟咏。
〔源氏〕若紫「ただ御手ひとつ―・し#て、山の鳥も驚かし侍らむ」
#(琴を)ほんのご一曲お弾きになって、山の鳥も驚かしませんか。
(琴)略弹一曲,山中之鸟亦惊乎?
〔大鏡〕兼通「和歌などこそ、いとをかしく―・し#しか」
#(朝光(あさてる)は)和歌などを、たいへん趣深くお詠みになった。
朝光很喜欢吟唱和歌。
[文法]「しか」は、過去の助動詞「き」の已然形で、係助詞「こそ」の結び。
语法:「しか」是过去助动词「き」的已然形,系助词「こそ」的结语。
#広くいろいろな動作をする意の尊敬語。なさる。お…になる。
对做出各种动作的主体的尊敬。做什么。
〔平家〕4・源氏揃「御手跡(しゆせき)うつくしう―・し#、御才学(さいかく)すぐれてましましければ」#(高倉宮以仁王(もちひとおう)は)ご筆跡も立派にお書きになり、ご学問もすぐれていらっしゃったので。
笔迹秀美,学问亦出色。
[参考]#は上代・中古の用法。#は中世以降の用法で、尊敬の助動詞「る」が付いた「あそばさる」も用いた。