5 意味が似ていることば(類義語)
(1)希望や願いを表す
ぜひ ●とても強く願うようす
→またぜひいらっしゃってください。
※あとに依頼や希望の表現がくる。
→ぜひオーストラリアに行きたい。
なんとか ●何か方法を使って、ぜひ
→なんとかピアノがうまくなりたい。
なんとしても ●どのようなことをしても
→なんとかしても彼と結婚したい。
どうしても ●たいへんでも絶対に
→どうしてもあの大学に入りたい。
どうか ●ていねいに、強く頼む
→どうかお金を貸してくださいませんか。
(2)仮定形と一緒に使う
万一 ●可能性は少ないが、もしもそんなことがあったら
→万一、大地震が起きたら、この公園へ避難してください。
たとえ ●もし~しても、仮に
→たとえどんなに高くてもそれを買うつもりだ。
たとえば ●たとえて言えば
→たとえばあなたが女性だったら、どうしますか。
もしかすると ●あるいは~かもしれない
→もしかすると、彼は来ないかもしれない。
いったん ●あることをした以上、した場合はどこまでも
※「一時的に」の意味もある。
→いったん約束をしたら、絶対にそれを守るべきだ。
(3)たとえて表現する時に使う
ちょうど ●~とよく似ている
→生まれたばかりの赤ちゃんは、顔が赤くてちょうど猿のようだ。
まるで ●ちょうど~のようだ
→まるで雪のように桜の花が散る。
※「まったく」の意味もある。
→お酒はまるでだめです。
いわば ●たとえて言えば
→子供の時から住んでいるから、この辺りは、いわば私の庭のようなものです。
いわゆる ●よく一般に言われているという意味を表す。
→彼はいわゆる本の虫です。
いかにも ●どう見てもそう見えたり、思えたりする時に使う
→山田さんは、いかにも都会人らしい格好をしている。
さも ①「いかにも」と同じ意味
→その子供はさもうれしそうに飛びながらよろこんだ。
②確かにそのように感じられること
→かれはいつもさも知っているように話す。
(4)言いかえるときに使う
たとえば ●例を出して言えば
→楽器、たとえばギターやピアノなどひけますか。
いわば ●分かりやすく説明すると
→この着物は特に豪華なものではない。いわば、普段に着るものである。
※たとえて言う時にも使う。
要するに ●まとめて簡単に言えば
→長い話だったが、要するに「土地は高くて買えない」という話だった。
(5)無意識で何かをするようすを表す
うっかり ●不注意で
→うっかり、電車の中に傘を忘れてきてしまった。
※反対語は「わざと」
→知っているけれど、わざと教えなかった。
つい ●よく考えずに、気がつかないようす
→秘密だったのに、つい言っちゃった。
ふと ●何も考えずに、偶然に
→昔のことを、ふと思い出した。
なんとなく ●何かの考えもなく、ふと
→なんとなく外を見たら、変なものが見えた。
知らず知らず ●自分では気がつかないうちに
→甘やかして育てると、子どもは、知らず知らず悪くなっていく。
思わず ●自分でそうするつもりでなく
→とてもうれしかったので、思わず、電話におじぎをした。
いつのまにか ●知らない間に
→いつのまにか冬になっていた。
(6)結果が予想できる時に使う
いずれ ●どちらにしても最後には
→かくしていても、いずれみんなに分かってしまうでしょう。
※「近いうちに」の意味もある。
→いずれご挨拶におうかがいします。
遅かれ早かれ ●遅い早いのちがいはあっても、いつかはそうなる
→君たちも、おそかれはやかれ結婚をして、父親、母親になるだろう。
どうせ ●(いやだけれど)終わりには
→今から行っても、どうせ間に合わない。
(7)くらべるときに使う
かえって ●考えていたこととは反対に
→薬を飲んだら、かえって病気が悪くなってしまった。
→ひどくしかりすぎると、かえって子どものためによくない。
※「逆に」「反対に」に言い換えられるが、順序や方向が反対に、という意味の場合「かえって」は使えない。
→今の方法を、逆にしてやってみよう。
むしろ ●2つをくらべて、どちらかと言えば
→そんなことするくらいなら、むしろ死んだ方がましだ。