●魚心あれば水心
そちらに魚になる心があれば、こちらもあなたが住みよい水になる心をもってもよい。何事も先方の出方次第で、相手が好意を示してくれれば、こちらも好意を示そう、という意。
●烏合(うごう)の衆
規律も統一もなく集まっている人々のこと。ここで「烏」とはカラスのことを指す。
●雨後の筍(たけのこ)
雨の降った後、筍が勢いよくあちこちに出るように、よく似た物事が次々に現れたり起きたりすること。
●牛に引かれて善光寺(ぜんこうじ)参り
善光寺(長野市にある寺)の近くに住んでいた老婆(ろうば)が、さらしていた布を、隣家の牛が角に引っ掛けて走っていくのを追っていくうちに、善光寺に達し、日ごろは不信心だったが、それが縁(えん)で信仰するようになったという話。本心からではなく、他のものに誘(さそ)われてたまたま善いことをする意。
●氏(うじ)より育ち
家柄(いえがら)や身分よりも、育てられ方のほうが人格の形成に大切である。
●後ろ指を指される
背後から指を指されて非難(ひなん)される。陰で悪口を言われること。
●嘘(うそ)から出た真(まこと)
初めは嘘であったことが、偶然(ぐうぜん)に本当のこととなる。
●嘘も方便(ほうべん)
うそをつくのは悪いことだが、物事を円滑(えんかつ)に運ばせるための手段としては必要なこともある。
●うどの大木
体ばかり大きくて役に立たないこと。ウドは高さ2mほどになる多年草(たねんそう)。茎(くき)は太くて大きくなるけれど、食用にも木材にもならない。類:大男総身に知恵が回りかね
●鵜(う)のまねをする烏(からす)
ウは水にもぐって巧(たく)みに魚を捕らえるが、もしもカラスがウのまねをして水にもぐって魚を捕ろうとすればきっとおぼれてしまう。自分の能力も考えないで、むやみやたらに人のまねをすると失敗する。
●鵜(う)の目鷹(たか)の目
ウやタカが獲物(えもの)を求めるときのようなするどい目つき。何としてもさがそうと目を配るようす。
●馬には乗ってみよ人には添うてみよ
何事も自分で直接確かめてみるのがよいということ。
●馬の背を分ける
夕立などが、ある所で降っているのに、すぐ近くが晴れていたりすること。
●馬の耳に念仏
馬が念仏などを聞いても、少しもありがたく感じない。何を言ってもわからず、いっこうに効き目がないこと。「馬耳東風(ばじとうふう)」と同じ。類:猫に小判、ぶたに真珠
●生みの親より育ての親
生んでくれた親よりも養い育ててくれた親のほうに、愛情や恩義(おんぎ)を感じるものだ。
●瓜(うり)の蔓(つる)に茄子(なすび)はならぬ
平凡(へいぼん)な親から非凡(ひぼん)な子は生まれない。血統は争えない意。「鳶(とび)が鷹(たか)を生む」の反対。類:蛙(かえる)の子は蛙
●噂(うわさ)をすれば影がさす
人の噂をしていると、その人がちょうどやって来るものである。