【 た行 】
●大海の一滴(いってき)
非常に広いところにとても小さなものがあることのたとえ。類:九牛の一毛
●大海は芥(あくた)を選ばず
大海は川からゴミが流れ込むのを問題にしない。大人物は度量(どりょう)が広くてさまざまな人を受け入れる、という意。
●醍醐味(だいごみ)
妙味(みょうみ)。最高の楽しさ。「醍醐」は牛乳を精製して作った濃くて甘い液で、最高の味覚とされた。
●大山(たいざん)鳴動(めいどう)して鼠(ねずみ)一匹
前ぶれの騒(さわ)ぎばかり大きくて、結果がとても小さいこと。
●大事の前の小事
大きな事をしようとするにあたっては、小事に気を配って慎重(しんちょう)にしないと、油断から失敗することがある。類:大事は小事より起こる
●大地に槌(つち)
絶対にはずれないことのたとえ。類:槌で大地をたたく
●大は小を兼(か)ねる
大きいものは、小さいものの役目もすることができる。
●大欲は無欲に似たり
大きな望みを持っている人は小さな利益など問題にしないから、一見欲がないかのように見えること。
●宝の持ち腐(ぐさ)れ
役に立つものを持っているのに、しまいこんで使わない。
●鷹(たか)は飢(う)えても穂(ほ)をつまず
タカは空腹で飢(う)え死にしそうになっても、百姓の作ったイネの穂を食べるようなことはしないという意味で、正義の人はどんなに困ってもわいろを取るなどの不正は行わないということ。
●多芸は無芸
多くの芸に通じていると、かえって専門といえる技量がない。類:なんでも来いに名人なし
●他山(たざん)の石
他の事がらを参考にして自分に役立てること。よその山から出た粗悪(そあく)な石でも、宝石を磨(みが)くのに使える。どんなつまらないこと、また、自分より劣(おと)っている人の言行でも、自分の才能や人格を磨く反省の材料とすることができる。類:人のふり見てわがふり直せ
●蛇足(だそく)
余計なつけたし。無用のもの。
楚(そ)の神官の召使たちが酒をもらい、皆で蛇(へび)を描き、最初に描きあげた者が酒を飲もうと競った。真っ先に描いた者が自分の速さを自慢(じまん)して「自分はまだ足まで描ける」と言って描き加えたため、蛇の絵でなくなり、勝負に負けて酒を飲みそこなったという話。
●畳(たたみ)の上の水練(すいれん)
理論や方法を学ぶだけで、実践(じっせん)的な訓練(くんれん)を怠(おこた)ること。
●立っているものは親でも使え
自分の用に親を使うなど、本来はとんでもないことだが、急ぐ場合には、そばに立っている人なら誰かまわず、たとえ親でも手伝ってもらえ。
●立つ鳥後を濁(にご)さず
立ち去るときに、あとしまつをよくすべきであるということ。
●立つより返事
人から呼ばれたら、立ち上がる前にまず返事をせよ。
●立て板に水
立てかけた「板」に水をかけると、水は板をつたって下に流れ落ちるように、すらすらと言葉が出ること。
●蓼(たで)食う虫も好き好き
タデという草の葉はたいへん辛(から)いのに、それを好んで食べる虫もいるところから、人の好みもさまざまであるということ。