敬語には大きく分けて、尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つの種類があります。それぞれの違いを理解することが、正しく敬語を使う第一歩です。
■尊敬語 相手を尊重する
相手を高く位置づけ、その人を丁寧に扱う言葉。相手およびその動作・状態・所有物などに敬意の加わった形で表現します。
例)
・相手の動作や状態を高める/お話しになる、いらっしゃる、おっしゃる、召し上がる
・相手や第三者を高める/○○さま、○○さん、○○部長、○○先生、こちらさま
・相手側に近い人や会社、所有物を高める/ご家族、ご親戚、御社、お荷物、お手紙
・相手の性質や状態を高める/お詳しい、ご立派、ご心配、お淋しい、お元気 お忙しい
■謙譲語 自分を謙遜する
自分の動作・状態・所有物などを低く扱う言葉。自分を低めることで間接的に相手を高め、相手への敬意を表します。
例)
・自分の動作を低める/お届けする、拝見する、うかがう、お教えいただく、お許し願う
・自分そのものを低める/わたくしども、小生、
・自分の会社や学校、所有物を低める/弊社、小社、弊校、粗茶、粗品
■丁寧語 相手を丁寧に扱う
言葉の使い方を丁寧にすることで、話し手が聞き手に対する敬意を表す表現です。
例)
・○○です、○○ます、○○でした、○○ました、○○でしょう、○○ましょう、○○でございます
覚えておきたい動詞の尊敬語と謙譲語
敬語の使い方で一番多い間違いは、相手を敬う尊敬語と自分を謙遜する謙譲語の取り違えです。ここでは、就職活動シーンでよく使う動詞の尊敬語と謙譲語の一覧をつくってみました。特に敬語だけに使われる特別ネ動詞は、尊敬語と謙譲語を対比しながらしっかりと覚えておきましょう。
■敬語だけに使われる特別な形
動詞 尊敬語 謙譲語
いる いらっしゃる・おいでになる おる
行く いらっしゃる 参る・うかがう
来る いらっしゃる・おいでになる 参る・うかがう
する なさる いたす
言う おっしゃる 申す・申し上げる
食べる 召し上がる いただく
会う お目にかかる
着る お召しになる
見る ご覧になる 拝見する
寝る おやすみになる
やる(与える) 差し上げる
借りる 拝借する
もらう いただく
知る・思う 存じる
わかる 承知する
※空欄のところは特別な形はありません。
※走る、笑う、唄う、歩くなど、自動詞の謙譲語は原形のままです。
■規則的な敬語
動詞 尊敬語 謙譲語
話す お話しになる・話される お話しする・お話し申し上げる
読む お読みになる・読まれる お読みする・お読み申し上げる
待つ お待ちになる・待たれる お待ちする・お待ち申し上げる
訪ねる お訪ねになる・訪ねられる お訪ねする・お訪ね申し上げる
連絡する ご連絡になる・連絡なさる ご連絡する・ご連絡申し上げる
相談する ご相談になる・相談なさる ご相談する・ご相談申し上げる
伝言する ご伝言になる・伝言なさる ご伝言する・ご伝言申し上げる