山口さんが広田先生の研究室へ行きます。
広田:はい。
山口:あのう、山口です。
広田:どうぞ。
山口:失礼します。
広田:あ、この間のレポートね。えーと、うん、着想はまあ、いいと思うんだけど……この題はちょっとね。
山口:はあ。
広田:「終身雇用制」というだけではねえ。
山口:はあ。では、「終身雇用制の崩壊」ではどうでしょうか。
広田:その方がいいんじゃないかな。内容がよくわかって。
山口:じゃ、そう変えます。
広田:終身雇用制が崩れてきたことと、OA化を関連付けた点はいいと思うよ。
山口:そうでしょうか。
広田:うん、おもしろいと思うよ。
山口:ありがとうございます。
広田:でもねえ。この結論はねえ。
山口:はあ。
広田:「終身雇用制」はこれで終わりだというのはねえ。
山口:はあ。
広田:うん、雇用の問題はもっと複雑でしょう。
山口:わかりました。もう一度よく考えてみます。
広田:それから、この漢字、違うんじゃない?
山口:あ。
広田:これは「門」じゃなくて……
山口:すいません。中に口があるほうの「問」です。
広田:ほかにも誤字が結構あるよ。気を付けないと……
山口:すいません。
広田:じゃ、ま、がんばって……今日言ったところ、もう一度考えてみて。
山口:はい。ありがとうございました。