昭和電工は2004年7月~9月をメドに,ハード?ディスク装置(HDD)に組み込むハード?ディスクの生産体制を増強する。年末商戦に向けた需要拡大を見込み,現在の月産830万枚を同1070万枚規模に引き上げる。
生産体制増強の方法は2つある。(1)同社がハード?ディスクの製造技術を供与している台湾Trace Storage Technology Corp.に出資して連結対象子会社とする,(2)昭電とTrace社の各工場の稼働率をそれぞれ高める,である。
このうち(1)は,Trace社が7月中旬をメドに実施する第三者割り当て増資によって行う。増資額は約9400万米ドルで,全株を昭電が引き受ける。増資後のTrace社の資本金は約1億4000万米ドル,昭電の持ち株比率は66.7%となる。昭電は2004年2月に,Trace社との間で出資の意向を記した覚書を締結し,具体的な検討に入っていた。
昭電は2003年5月から,Trace社に対して1枚当たりの容量が80GバイトのAl合金製ハード?ディスクの製造技術を供与するなど,既に協力関係にある。今回の子会社化によってこの関係を強化し,今後は1枚当たりの容量が80Gバイトを超える大容量のAl合金製ハード?ディスクの製造技術を供与していく。Trace社は,主に3.5インチ型のAl合金製ハード?ディスクの生産を担当する。昭電は千葉県市原市とシンガポールにハード?ディスクの生産子会社を持つが,両工場は今後,主に1.8インチ型をはじめとする小型のガラス製ハード?ディスクの生産を担当する。
Trace社の子会社化に併せ,前述の(2)を実施する。すなわち,現在は生産調整している各工場の稼働率をほぼ100%まで引き上げる。台湾,市原,シンガポールの各工場の月産枚数は順に200万枚,320万枚,310万枚だが,これを300万枚,420万枚,350万枚とする。このほか,約40億円を投じて検査工程を強化し,出荷までのリード?タイム削減を図る。
記者会見に出席した昭和電工社長の大橋光夫氏は「サーバ,音楽プレーヤ,カーナビなどに向けたHDDの需要が堅調に推移しており,HDDメーカーからの引き合いが強い。このため,需要拡大が見込める2004年の年末商戦に間に合うよう,増産体制を整える。今回のTrace社の子会社化と増産により,ハード?ディスクの市場シェアは22%に達し,同21%の米Seagate Technology LLCを上回る事業規模になる」と語った。
将来的には,Trace社に対して小型ハード?ディスクやガラス製ハード?ディスクの製造技術も供与し,これらの製品を台湾でも生産することを視野に入れている。「Trace社には,現在未使用のクリーン?ルームがあり,将来の需要動向次第で生産ラインの増設も検討していく」(昭和電工 エレクトロニクス事業部門 HD事業部長の泉健一氏)としている。
译文对照:
日本昭和电工将在2004年7月~9月加强硬盘盘片的生产体制。由于年底商战有望激发市场旺盛需求,该公司将把目前月产830万枚的产量提高至1070万枚的规模。
将采取两项措施来增强生产体制:(1)通过向引进昭和电工硬盘生产技术的台湾和乔科技(Trace Storage Technology)投资,使其成为关连子公司;(2)提高昭和电工与和乔科技各工厂的开工率。
其中,第(1)项措施通过和乔公司7月中旬以第三方分配增资来实施。增资额大约为9400万美元,全部股份由昭和电工购买。增资后的和乔公司,资本金约为1亿4000万美元,昭和电工的持股比例将达到66.7%。昭和电工2004年2月与和乔公司签定了出资意向备忘录,目前已进入了具体谈判阶段。
昭和电工从2003年5月开始向和乔公司提供单枚容量可达80GB的铝合金盘片的制造技术,双方已经建立合作关系。通过此次增资收购将和乔变成昭和电工的子公司后,将进一步加强合作关系。今后将向和乔提供单枚容量超过80GB的大容量铝合金盘片的制造技术。和乔公司目前主要负责生产3.5英寸铝合金盘片。昭和电工在日本千叶县市原市和新加坡均拥有盘片生产子公司,这两家工厂今后将主要生产以1.8英寸型号为主的小型玻璃盘片。
在将和乔公司改为联合结算子公司的同时,将实施上述第(2)项措施。就是指将把目前正在进行生产调整的各工厂开工率提高到近100%。台湾、市原及新加坡各工厂目前的月产量依次为200万枚、320万枚和310万枚,此后将分别提高至300万枚、420万枚和350万枚。此外,还将投资大约40亿日元(约合人民币3.07亿元)加强质检过程,力求缩短供货前的前导时间(Lead Time)。
昭和电工社长大桥光夫在出席记者招待会时表示:“随着硬盘在服务器、音乐播放器及导航仪等方面的需求稳步增长,与硬盘厂商的合作将会越来越密切。在2004年底商战中预计需求将会有所扩大,为此公司将不断完善增产体制。通过收购和乔公司和增产计划2项措施,本公司在硬盘盘片市场上的占有率将达到22%,业务规模将超过硬盘市场份额为21%的美国希捷科技”。
今后,昭和电工还将向和乔公司提供小型硬盘及玻璃硬盘的制造技术,同时也在考虑在台湾生产这些硬盘产品。另外,该公司还表示:“和乔公司有的无尘操作间(Clean Room)目前尚未使用,我们将会根据今后的市场需求增设生产线”(昭和电工电子业务部硬盘业务部长泉健一)。