携帯電話の電磁波を巡っては「ペースメーカーを誤作動させる」として、一時期社会問題となりましたが、2010年5月に発表された総務省による調査結果でペースメーカーに影響を与えないことが確認されています。
しかし国際連合の専門機関「WHO(世界保健機関)」が携帯電話を「発がん性を持つ危険有害物質」に指定した事が明らかになりました。
アメリカのCNNの報道によると、携帯電話の電磁波が癌を引き起こす可能性があるとして、WHOが携帯電話をエンジンの排気ガスやクロロホルムなどと同じ「発がん性を持つ危険有害物質」に指定したそうです。
これはアメリカを含む14ヵ国、31人の科学者で構成されたチームが行った携帯電話の安全性に関する研究で明らかになったもので、脳実質あるいは脊髄実質から発生する瘍「神経膠腫」や「神経腫」といった脳におけるがんを引き起こす可能性がある証拠を発見したとのこと。
携帯電話の電磁波はX線のようなものではなく、非常に低い出力の電子レンジのようなものであるとされており、言うなれば「食べ物の代わりに脳を電子レンジに入れるようなもの」であるとロサンゼルスのCedars-SinaiMedicalCenterの代表で、神経学を専攻するKeithBlack博士はコメントしています。
なお、ワイヤレス通信産業を代表するCTIA-TheWirelessAssociationはWHOの発表を再検討した上で携帯電話の発がん性を否定。ヨーロッパの環境庁は携帯電話が喫煙やアスベスト、鉛を含んだガソリンと同じくらい危険であるという研究結果を付け加えたほか、ピッツバーグ大学のがん研究所の代表は携帯電話の使用を制限することをすべてのスタッフに通知するなど、この発表は大きな波紋を巻き起こしています。
ちなみに前出のKeithBlack博士は携帯電話の電磁波の子どもへの影響について、子どもの頭蓋骨および頭皮は大人よりもさらに薄く、電磁波がさらに脳の深く入り込む事ができるため、影響ははるかに大きいかもしれないとコメントしています。