外部のアンバランスの主な現われは国際貿易と国際収支の両方ともの輸出超過で、外貨準備高の大量の増加である。それは中国と貿易相手国間の摩擦の激化をもたらす共に、自分の貿易条件を悪化させ、輸出製品を安売りさせ、また中国の資源の減少と環境の悪化をきたしてきた。
内部のアンバランスと外部のアンバランスとのマクロ経済での集中的な現れは貨幣供給量の過大である。貨幣発行量の過大は必ず不動産、株券、収蔵品などの資産バブルの形成、インフレ即ち消費者物価指数(CPI)の急速な上昇あるいは両方ともを齎してくるに違いない。この問題は2007年の下半期に水面上に浮上し、誰でも感じられる危険となっている。中長期的な観点から見れば、この問題の危険性はまた下記の通りである。それは中国の金融の体系を弱くさせ、外部あるいは内部からの衝撃があるとき、深刻な構造的リスクが現れるに違いない。
これらの問題点への解決案はもう出されたのに、問題はずっと解決されなかったのはなぜだろうか。主な原因は旧体制の遺産が除去されず、経済発展モデルの転換の主要な障害になっているためである。最も重要な体制の障害が四つあると筆者は思っている。第1、各級政府は依然として重要な資源の配置の権力を持っている。第2、GDP成長を各級政府の政治的実績とする。党と政府機関が幹部を評価する時ではなく、社会の世論もそうである。第3、各級政府の財政状況と物質生産の成長とがしっかり関わっている。最後の一つは正に前の3点の裏側である。つまり、資源配置の面で市場のパワーは大きく抑えられている。その表れは土地、資本、労働力などの生産要素の価格は市場化されなかったことである。価格の歪みは資源浪費式の生産を促した。
上記の分析が正しければ、道はどこにあるかがもう明らかである。道は旧体制が中国に残した遺産を取り除き、規範に合致する市場構造を設立し、市場の資源の配置の面での基礎的な役割を十分に発揮させることにある。2番目の問題は独占を打ち破り、ミクロへの関与を取り除くことである。そうしないと、市場の資源の配置の面での基礎的な役割を十分に発揮させることはできない。勿論、最も重要なのは、法治国家を建設することである。それは二つのことを意味している。その一は立法で、その二は独立な司法である。
要するに、中国は改革開放を頼りに良い体制を創立し、このような体制を踏まえて経済発展モデルを転換しなければならない。発展モデルの転換に成功できるかどうかは、各方面の努力に決められ、そのうち政府機構が自分の行為を正すことはキーとなっている。(了)