世の中、顔と名前が一致しないことがあります。
電車の中で背広姿の紳士に挨拶されて、顔はよく見るけど、その人がどこの誰だか思い出せない、ということがありました。翌日、駅で制服を着て、赤いラインの帽子をかぶっていて「駅長」だと気づきました。職業上の制服と私服など、間違いのもとです。
ある時、恥をかいたことがあります。
会社の部長と歩いていると、知り合いの人に、ばったり出会い、
「いや、どうもご無沙汰しております。お世話になりっぱなしでどうも。」
と挨拶されました。私は誰だか思い出せません。
部長は、ニコニコしながら、
「須藤君、どちらさんでしたっけ。」
こちらは、確か取引先のそれも古い担当者だった、としか覚えておりません。おどおどしていると、「随分前ですが、こちらのほうへ変わりまして。」
と名刺を出され、ことなきを得ました。
この後、部長に面白い方法を教わりました。部長は、大勢の部下を持っていますが、一人一人覚えているわけではありません。
「部長お元気ですか、ご無沙汰いたしております。」といわれると、即座に
「いやーしばらく、ところで名前はなんといったっけ。」
部下は名前を忘れられたことに気を悪くし、
「私、どこどこの山田です。」
というと、部長は切り替えします。
「山田君知っているさ。名前だよ、名前のほうはなんだったっけ。」
「二郎です。山田二郎です。」
「そうだそうだ二郎君だった。うんそうだった。」
译文对照:
世界上,有时往往面孔和名字对不上来。
曾有过这么一件事。有一次,在电车里,有一个穿着西装的男人想我打招呼,虽然我很熟悉他的脸,但却想不起来他做什么工作。第二天,在车站里,又遇见了他,这时他穿着制服,戴着镶红边的帽子,我才意识到他是车站的站长。工作时穿的制服和平时穿的便装,是搞错人的原因。
有一次,我出了一个丑。
一天,我和部长一起走路时,一下子遇到了个熟人,那人对我说:
“啊,真是好久不见了,总是给您添麻烦,真是不好意思。”
但是我却想不起来这个人是谁。
这时部长笑吟吟地问:
“须藤君,是哪位来着?”
我仅仅记着那位是我们公司以前的客户,还是个负责人。正当我惴惴不安时,这个人掏出了名片,说:
“我很久以前就调到这地方工作了。”
总算是平安无事地应付过去了。
后来,我从部长那里学到了一个有趣的方法。部长有很多部下,但不可能把大家的名字都记住。
假如友人说:
“部长,您好吗?好久不见了。”
那时要立即回答:
“啊,久违了,可是你叫什么名字来着?”
部下一看部长没有记住自己的名字,就不太痛快,说:
“我是00的山田。”
这时,部长会反问道:
“我知道你叫山田,我说是名字,你叫什么名字来着?”
“叫二郎,我是山田二郎。”
“对了,你叫二郎,没错,想起来了。”
就这样,部长顺水推舟地下了台阶。