新婚旅行した下見ツアー
日本では新婚旅行に海外に行く人が多い。旅行中にそれまで気がつかなかった相手の一面を知り、帰国後、成田空港で離婚を決めてしまう。これを「成田離婚」という。女性が男性に対し、失望するケースが多い。これは慣れない海外旅行で、男性が頼りにならないと思われてしまうことが原因の一つのようだ。
これを受けて東京都に本社をおく旅行会社が、男性限定の「新婚旅行下見ツアー」を企画した。既に昨年11月末から今年3月までに、ハワイのツアーが行われた。このツアーは、これまでない新しいタイプツアーとして、多くのメディアで紹介され、話題を呼んだ。なぜ成田離婚が起こる。このツアーは、新婚旅行中のカップルを数多く見てきた添亞Tによって発案された。
新婚前に海外旅行の経験があるのは圧倒的に女性が多い。男性は、新婚旅行が始めての海外旅行というケースが少なくない。例えば、昨年一年間にハワイを訪れた日本人観光客は女性が7割、男性が3割。海外渡航経験の少ない男性は、言葉の通じない、慣れない土地で、仱晡铯吻蟹蛸Iうのにさえ戸惑い、さまざまな場面で困ったり、失敗したりしてしまう。女性はこんな男性の頼りなさに失望し、些細なことから大喧嘩に発展することもある。新婚旅行が終わる頃には、危険な雰囲気になってしまうということが多いそうだ。このツアーは、そんな悲劇をなくそうと、企画されたものなのである。
結婚に対する男女の価値観の違い。
このツアーの日程は四泊五日で、費用は6万9千円から。現地では一流ホテルに泊まり、観光名所やショッピングセンターなどは、新婚旅行とほぼ同じコースを巡る。旅行中はベテランの添亞Tが付き添い、入国のための書類の書き方、現地でのタクシーの呼び方、レストランで詳しく指導してくれる。更に現地ではお勧めのレストランや夜景スポット、土産物店まで教えてくれるのだ。
実際にツアーに参加した男性の中には、まだ結婚の予定はないが、将来のために参加したという人もいたそうだ。
このツアーに参加する男性を女性たちはどう思っているのだろう?何人かの独身女性に聞いたところ、「一生に一度の新婚旅行だから、素敵な思い出にしてほしい」という賛成派と、「マニュアルどおりにいかないのが、人間関係。その場しのぎの学習では意味がないのでは?」という反対派とに、意見は分かれた。
ある結婚情報サービス会社が20代~50代の既婚の人を対象に、結婚意識調査を行ったところ、「愛さえあれば結婚できる」と考える男性は全体の43.8パーセントだったのに対し、そう思っている女性は29.0パーセント。「結婚したら最後まで配偶者に添い遂げるべきだ」という質問には男性の69.9パーセントがイイエと答えたのに対し、イエスと答えた女性は半数に満たなかった。
この意識調査の結果から、男女間には、結婚に対する大きなけち間の違いがあることが伺える。
また、これまで独身女性が望む結婚相手の条件が3高(高い身長、高い学歴、高い収入)だと言われていたが、最近ではこれが3C(comfortable,一緒にいて快適、communicative理解し合える、cooperative,協力的)に変わった。このことからも最近の女性の結婚観が変化してきていることが分かる。
先ほどの「ツアーに参加する男性をどう思うか」の質問に答えた女性の一人は、「新婚旅行は、結婚後、始めて夫婦二人だけで取り込む共同作業。ここで頼れる男性を演出したいというのが、ツアーに参加する男性の願望なのでしょう。でも、そこに結婚に対する男女の価値観の違いがあるように思えてならない」と意見を述べた。
この新婚旅行下見ツアーは、今までにないユニークなツアーということは、雑誌、ラジオ、テレビなど、たくさんのメディアで取り上げられ、さまざまな意見が飛び交った。さて、あなたはどう考えますか?