山本:あの、昔、何年か前は、まだ、髪を茶色に染めたり、いろんなカラーに染めたりする若い人って言うのは、非常に奇異な感じを抱きました??最近は、そんなこといってたら、町、歩けませんもんね??
平塚:そうですね。
山本:たくさん、そういう人がいすぎて、当たり前になってきましたね??
平塚:ええ。
山本:あれって、おかしいですね。ほんとに、大勢、人がそういう形をしていると、それがスタンダードになってきますからね??
平塚:そう、そうですね。ペルージャに行った中田選手も、黄色の、茶髪にしてきましたよね。
山本:そうですね。そうですね。
平塚:最近、わたしの甥、がいるんですけども、大学受験で、全部失敗したんですって、高校3年なんですけどね。そしたら、あの、全部失敗した最後の日に、全部茶色にしたって??
山本:ははは。気分転換だそうで。…心機一転ですよね??
平塚:でも、昔は、われわれの時代は、心機一転は、そういう表現をしなかったんですよね??
山本:頭、丸めちゃうっていうことですか。
平塚:そうそう、そうそう。そっちのほうが普通でしたね。
山本:今、色を変えるんです??まあ、まさに、その、気分を変えるっていうのと、おんなじですよね。
平塚:ええ。
山本:考えられませんね、われわれにはね。でも、まあ、外国にいれば、茶髪が金髪かわかりません、ブロンドかわかりませんけれども、眉毛も全部そういう感じですからね??
平塚:顔としてのバランスが。
山本:なんとなくありますけども、日本の若い人が、その、髪だけ染めて、眉毛が真っ黒だったりとか、あれ、ちょっとおかしいですね。
平塚:そうですね。
山本:奇異な感じしますね??今日も、電車の中へ乗ってきた若い、女の子と思うんですよ、あの、赤いジャンバー着てましたしね、革の。そしたら、頭がですね。二分刈りぐらいなんですよ。
平塚:ああ。
山本:それが全部、あのー、茶髪っていうんですかね、黄色に染めてあるんですね??で、ひょっと見たら、眉毛が、もう黒々と普通の黒い眉毛が書いてある。だから、あれ、おかしいなぁ、ちょっとおかしいなぁとは思いましたけど??まあ、それもご時世ですかね、今は??
平塚:じゃないですか??わたくしも最初ね、日本に帰ってきたときに、髪の毛ばっかり西洋人で、顔は日本人だから、すっごい奇異に思ったんですよね。
山本:そうですね。
平塚:でも、なんか、昔さんそうなっちゃうと、このごろは、わたしの目も慣れましたんでしょうかね??
山本:そうですね。人間っておかしいですね??
平塚:そんなにびっくりしないんですけど、でも、あんまり東洋系の顔、もう典型的な東洋系の顔が、金髪なんかしてると、あれーと思いますね??でも、本人は似合ってるつもりなんじゃないんですか。
山本:まあ、ファッションに流されてるっていう面もあるんじゃないでしょうかね??私どもから見れば、黒髪で、あのー、まあ、ウェーブがあって、そういうほうが、ず―っときれいにチャーミングに見えますけどね??もう、若い人の感覚っていうのは、ちょっと違うんでしょうね??
平塚:そうだとおもいますね。
山本:やっぱり……、
平塚:このごろ、着るものも、食べる物も、行動も、すべて、ほかの人はどう見るだろうということは、全く考えないようになってきましたね??
山本:そうですね。わりに考えなくなりましたね??
平塚:そういう点では、大変、気楽な国になっていう気が、わたし、しますけどね。